「おんどとり」RTR-500シリーズで高精度・広範囲の温度ロガーを利用
千代田区一ツ橋に本社を置き医薬品・食品および食品添加物に使われる原料の調達・販売を行っている住商ファーマインターナショナル株式会社様の中枢業務を担う原薬分析センターに2015年初期導入させていただきました。
以前はドラム式の温度計や投げ込み式の温度計で記録しておられました。 リアルタイムでデータ取得ができないことや管理の問題より温湿度計の無線化に至りました。
おんどどりワイヤレスタイプ「RTR-500シリーズ」にてシステムを構築しました。
導入の背景
"おんどとり" 導入前は、実験室の室温計測にドラム式の温度計を使用し記録管理しておられました。
ドラム式温度計は、アナログ式のため途切れることなくデータを記録し続けますが、まれに巻き取り異常を発生することがあったとのことです。
また、冷蔵冷凍庫には投げ込み式の温度計を使用し記録管理しておられました。
定期的にログを取得するようにしていたもののリアルタイム性がないため、タイムリーに温度異常を察知することができないことより抑止にはつながりませんでした。
RTR-500シリーズは、特定小電力無線を搭載したワイヤレスデータロガーの子機で測定したデータを親機で自動収集します。 専用の管理PCを設けUSBケーブルで親機と接続、オンタイムで各所に設置した機器の温湿度を把握できるようになりました。
RTR-500Cを親機として管理
導入いただいたRTR-500シリーズは温度センサ外付けの子機(RTR-502L)、温湿度センサの子機(RTR-503L)、高精度センサタイプの温湿度子機(RTR-507L)の3種と、記録データを無線通信で収集する親機(RTR-500C)で構成しております。
薬品・原料管理のため温度センサは内蔵タイプではなく、温度変化を瞬時に捉える外付けタイプを選択しております。
また、電池交換の手間を省くためにも大容量バッテリタイプの【 Lタイプ 】を採用。 これにより電池切れを気に掛けることなく日々安心して温湿度管理を行えます。
ワイヤレスによる環境モニタリングを実現
子機は実験室の温湿度、冷蔵冷凍庫の温度を測定。すべて実験室内に設置しています。
管理PCおよび子機のデータを収集するための親機(RTR-500C)は、ガラスを隔てた事務所に設置しリアルタイムでの温度変化を記録・管理を行っています。
子機(RTR-502L/503L/507L)と親機(RTR-500C)間は無線通信で自動収集するため、温湿度異常に対する注意喚起や抑止に役立っています。 閾値を設定することで温湿度度異常の警報メールを発報するように設定。
常に画面を見ていなくても、担当者にメールで異常を知らせることができます。
主な設置場所はセンサホールを使用し庫内測定
測定対象物は試薬と商品の製品サンプルが保管されている冷蔵庫冷凍庫で10分間隔でデータの取得を行うように設定。
導入機器RTR-502Lはセンサ外付けタイプの大容量バッテリ対応温度ロガーです。 本体動作環境は-40℃~80℃ (無線通信をする場合: -30~80℃)ですが、機器自体の測定範囲としては-60~155℃のため、低温または高温の場合はセンサのみを庫内に入れて機器本体を庫外に出しておくことで測定が可能です。
また、庫外に設置することにより電波状態も良くなり、本体画面で現在値を目視確認することもできます。
改善ポイント
① 閾値逸脱時に警報メールが届くため商品劣化の検証作業が不要となり省力化に!
② リアルタイムに監視を行っているため、信頼性が向上!
③ コストパフォーマンスが非常に良いため導入コストを抑えられ満足!
以前は、アナログ温度計を使用していたため温度が管理値から逸脱していることが後日判明し、製品サンプルの劣化についての検証を行う必要が発生し業務が増えていた。
冷蔵、冷凍庫に備え付けの温度計は付いているが、外部への警報機能等が無いため通りがかりに異常が無いか見る程度しか役に立っていなかった。
おんどとりと並行して検討していた他のシステムは、数百万~1千万程度であった。
ご意見ご協力:住商ファーマインターナショナル株式会社 原薬分析センター長 高橋 様
※ 当該機器はメーカー生産終了品となり後継機は【 RTR500Bシリーズ 】です