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導入事例(医薬品原薬保管倉庫)

新日本薬業株式会社 飯島物流センター 温湿度管理

クラウド対応 無線LAN搭載「おんどとり」導入

東京都中央区日本橋に本社を構え、医薬品・医療機器・農薬・試薬・食品添加物等々の原材料および製品の卸販売、輸出入を営む技術商社である、
新日本薬業株式会社様 に温湿度タイプのデータロガー(測定機器)を装備した「おんどとり」を含む温湿度モニタリングシステムの導入をご成約いただきました。

導入先は、医薬品原薬の安定供給に資する拠点として、流通と保管機能の一層の充実を図るため、長野県上伊那郡飯島町に取得していた約1万5000平米の用地に、2021年12月に新設された新日本薬業飯島物流センターです。
同センターを弊社技術スタッフが訪問し、新日本薬業様の様々なニーズや法令上の要請事項の詳細につき入念に打ち合わせることから検討を開始いたしました。

導入に際してのご要望として、品質管理において重要な項目である測定機の校正(校正証明書発行含む)およびComputerized System Validation(CSV、医薬品・医薬部外品製造販売業者等におけるコンピュータ化システム適正管理ガイドライン)への対応が必須条件でした。
弊社は製薬会社各社への同様システムの導入実績も多く、また、バリデーション (IQ/OQ) 対応の観点からも高く評価いただき、この度のシステム導入パートナーとして、数ある販売店の中から弊社を採用していただきました。

[ 導入要望点 ]
   ① リアルタイムで温湿度変化を記録・管理
   ② 機器設置後も、環境変化等に応じロガーを機動的に配置変更可能
   ③ 大規模の原薬保管倉庫における広範囲・多点計測に対応できる無線LANタイプであること
   ④ 24時間365日、温湿度逸脱の監視と管理が可能
   ⑤ 設定値に対し異常発生時には、時と場所を選ばずスマートフォン等に即時警告を発報通知連絡
   ⑥ 医薬品管理における IQ/OQを含むバリデーションの実施

新日本薬業への導入

導入の背景

新日本薬業株式会社様は、海外並びに国内の医薬品原薬・中間体および医薬品製剤を幅広く取り扱う、創業70年以上の長い業歴を誇る総合技術商社です。
同社は東京本社、大阪支店、原薬の理化学試験設備を併設した物流拠点である南港L&Lセンターの他、東京お台場倉庫を含め4ヶ所にGMP管理下の医薬品原薬倉庫の運営体制を築いて来ました。
更に、2021年12月4日に原薬の安定供給の拡充に向け、流通と保管機能の一層の充実を図るため、地震や津波等も視野に入れたBCP(事業継続計画)の観点も考慮し、長野県上伊那郡飯島町に飯島物流センターを追加で新規建設し竣工するに至った経緯でした。
この物流センター新設にあたり、大規模型の原薬保管倉庫に対応できる仕様を担保するため、無線LANで自由度の高い接続・管理が可能な、温湿度モニタリングシステムの導入をご検討いただき、最終的に設置や導入後の管理も容易でスムーズかつマッピング結果により機動的な配置変更が可能な「おんどとり TR-72wb 」をご採用いただきました。

無人倉庫でもデータは自動収集されるので安心管理

 

導入機器は無線LAN対応 温湿度データロガー

導入した TR-72wbは、IoTでスマートな温湿度管理を可能にしたスタンドアローンモデルです。
1台で温度・湿度の2項目の測定ができ、無線LAN環境(IEEE802.11b/g/n)があれば収集したデータは、同一ネットワーク内のデータサーバーやインターネットを介してクラウドに自動送信し、どこからでもパソコン、スマートフォン、タブレットで確認することができます。

また、予め設定した温湿度を逸脱すると警報を発報できて、管理者がすぐに温湿度をメールやアプリで確認ができ迅速対応が可能です。
Bluetooth機能も搭載されており、専用アプリでの管理や、PCにUSB接続してローカル管理にも対応したデータロガーです。
電源も単3アルカリ電池またはオプションACアダプタ、USBバスパワーに対応しており、特殊電池不要のため設置形態のバリエーションが豊富で導入事例も多いモデルです。

おんどとり TR-72wbは無線AN接続の温湿度測定ロガー

 

主な設置場所は保管ラック

1,500㎡の大型医薬品原薬保管倉庫内の温湿度測定が対象でした。
原薬保管場所である大型倉庫は、対象製品に応じた室温(1~30℃)の範囲で管理しております。
各倉庫ごとに温度マッピングを実施し、最高温度と最低温度の測定を一定期間測定したのちに、測定位置を選定し温湿度のシステム管理を行っておられます。
温度マッピングは定期的に行い、データロガーの設置場所を変更・管理する予定です。

上下高さを変えて温湿度を調査

 

機器の設置状況

導入機器TR-72wbは、温湿度センサー付属のため1台で、温度・湿度の2項目を測定。
マッピングを実施した大型倉庫のローポイント、ハイポイントにロガーを設置し、24時間365日監視する環境を整えております。
予め設定した温湿度を外れると警告メールがスマートフォンやPCに届くことで、逸脱対応がタイムリーにできると高い評価をいただきました。

低温・高湿度の環境測定には、温度 △25~70°C / 湿度 0~99%RH の広範囲温湿度をカバーする、高精度温湿度センサ付属タイプのTR-72wb-Sが適しております。

1台で温湿度測定GDPガイドラインに基づく温度管理

 

機器校正とIQ/OQ(バリデーション作業)について

医薬品の品質確認、保管する環境を適正管理するためには温湿度モニタリングを行う機器を定期的に校正することが必要です。
そのため、今回導入させていただいたTR-72wbは機器校正を行い、1台1台に校正証明書、試験成績書、トレーサビリティ体系図を発行しております。
また、医薬品や医薬部外品・化粧品および医療機器開発や製造に使用されるコンピュータ化システムについて、開発プロセスの最適性や妥当性の検証と文書化を規定するコンピュータ化システムのバリデーション(CSV、Computerized System Validation)の重要性から、機器・システム導入と併せてご依頼いただきました。
IQ/OQについては、弊社技術スタッフによる訪問設置時の確認作業を含め、納品時に資料提示をさせていただきました。

弊社では、機器の販売だけでなく事前設定や訪問設置、機器校正サービスやIQ/OQなど、お客様のご要望に応じて最善のサービスをご提供すべく心がけております。

※ おんどとり機器校正についてはこちら

IQOQバリデーションおよび校正証明書サンプルイメージ

 

2021年12月4日 飯島物流センター竣工

医薬品原薬等の総合技術商社として2021年4月に創業70周年を迎えた新日本薬業株式会社様により同年12月新設された大規模倉庫「飯島物流センター」における温湿度管理を高度化するため " おんどとり " を含む温湿度モニタリングシステムを導入いただきました。
無線LAN対応タイプでデータロガーの機動的な配置変更が可能なことから、品質保証のための温湿度管理が確実かつ容易に行える点等よりご興味をお持ちいただき、機器の校正およびバリデーション等にも対応できることから弊社にお任せいただき導入にいたりました。
倉庫内が無人の場合でも、24時間365日 「おんどとり」 で監視することにより、異常発生時には管理者の手元のスマートフォンへ届く警報を確認することができるため、『どこにいてもすぐに駆け付けられることができるので安心です』とのお言葉をいただきました。

※ 飯島物流センター詳細はこちら

新日本薬業飯島物流センター

薬剤保管庫の様子

【 ご意見ご協力 】 
新日本薬業株式会社 製造管理者 柴 様

 

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